IMITATION LOVELESS
憐は突然涙を流した。
大粒の雫を閉じられた瞼の隙間から溢れさせる。
一瞬の硬直をへて、優夜と刹那は憐の元へ駆け寄る。
「姫様!?」
「どうかなされましたか!?」
二人は慌てて憐を泣き止ませようとするが中々泣き止まない。
困ったように微笑む刹那。
手を伸ばし、憐を優しく抱き締める。
刹那のたくましい腕に抱き締められ、憐は泣くのも忘れて目を見開く。
「せつ…な…?」
憐のか細い声に刹那の腕か微かに反応する。
もぞもぞと憐は刹那の腕のなかで動く。