IMITATION LOVELESS
憐と召使い二人の視線が交わる。
憐は前髪で影のできた顔を両手で覆う。
耳をふにゃ…と垂れさせ、尻尾をひきつらせる。
困り果てた優夜は憐の耳元に唇を運び、優しく、甘く囁く。
「……憐」
「…ッ!!?」
ビクッ!
体全体を震わせながら憐は顔を上げる。
その時、刹那と視線が交わる。
刹那の大人の微笑みに憐は更に顔を赤くした。
「にゃあああ!」
「「姫様!?」」
憐はその場の状況に耐えられず、逃げて行ってしまった。
二人の召使いは困ったかのように笑い、お互いの顔を見る。
「優夜、刹那」