IMITATION LOVELESS


眩しいくらいの太陽の日差しが窓ガラスを通り、屋敷内に降り注ぐ。


―コンコン


「姫様、新しい召使いを連れて参りました」

「…………はい」


金色の美しい髪を高く結い上げ、可憐で柔らかそうな素肌に漆黒のドレスを身に纏う。

黒タイツをガーターベルトで止め、ヒールが高い丸靴を履く。


鏡の前で身嗜みを整え、頭に生えている黒い猫耳をぱたぱたと動かす。

少女は部屋の扉を静かに開く。


「姫様、こちらが新たな召使いの優夜と刹那になります」

「…?」


少女は大きな瞳に蒼髪と紫髪の青年を写し込む。


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