IMITATION LOVELESS
刹那も懐から銃を取り出す。
玉をセットして、憐に銃口を向ける。
引き金に人差し指を添える。
微かに引き金を引いたとき、憐が声を発した。
「…ゆ…ぅや……、せつ……なぁ…」
憐の口から溢れた自分達の名前。
驚いた二人は目を見開き銃口を下げる。
もぞもぞと寝返りを打ったとき、無防備な寝顔が優夜達に向けられた。
長い睫毛、柔らかそうな唇、マシュマロのような白い頬。
どれをとっても、儚く、可憐なお姫様だった。
しかし、優夜達にはその可愛らしさが憎しみともなっていた。
「……早く起きないと、本当に撃っちゃうよ?」
優夜は妖艶に微笑み、憐の顎を銃口で上に向ける。