IMITATION LOVELESS


憐は哀しげに笑う。
その姿は何かを哀れんでいるかのようだった。
儚げな微笑みは優夜と刹那の胸を高ぶらせた。


「僕の権力を利用して、お母様が……皆を苦しませているから…」


「お母様って…」

「妃様のことか?」


憐は二人の問いかけに頷く。


「お母様は、自分の欲しいモノを、僕に言わせて…手に入れてるんだ……。 だから、僕が居なくなれば…皆は 幸せになれるから……」


憐の瞳から大粒の涙が溢れ落ちる。
ホロホロと流れる涙は止まることを知らないように流れている。


< 37 / 192 >

この作品をシェア

pagetop