IMITATION LOVELESS
刹那が促すと優夜は憐から離れ刹那に付いていく。
二人は微笑みながら部屋を出ていった。
"大人しく待ってろよ"
「………」
憐は今まで感じたことの無い感情を胸の奥に感じていた。
切なく、苦しい。
しかし、二人の側にいると誰と居るよりも胸が熱くなり、嬉しい。
憐は胸を両手で抑える。
「……暖かい」
憐が柔らかく微笑むと扉をノックする音が響いた。
顔をあげて入室の許可を出す。
扉を開き姿を現したのは、蜩だった。
「姫様、見回りに参りました」
「ありがとう、蜩」
憐は困ったように笑う。