IMITATION LOVELESS
「…ありがとう」
二人がタイツをガーターで止め、靴を履かせる。
そこまでの流れを見ていた憐が囁く。
二人はチラリと憐を見ると微笑む。
「ミルクティーでよろしいですか?」
「え…?」
「お嫌いでございましたか?」
「うんん……大好き…」
憐は召使い達に導かれるまま椅子に腰を下ろす。
目の前で暖められたティーカップにミルクティーが静かに注がれる。
甘い香りが辺りに漂い始める。
「……毒とか 入ってる?」
「言っただろ、時が来るまで アンタは殺さない」
刹那が憐の頭を撫でる。
憐は紅茶を啜りながら笑う。
「偽りの召使いね」
憐の言葉に二人は一瞬驚き、妖しく笑った。
「【信用することは、相手を思うこと―。】」
「【信用しないことは、相手を嫌うこと―。】」
二人の言葉に答えるように、憐は甘い声で囁く。
「【嫌われることは…いつか、訪れる未来。】」