IMITATION LOVELESS
刹那の顔からメガネを取り上げ、自分にかける。
「似合う?」
憐はメガネをかけて刹那を見る。
「ふ……、あぁ、似合う」
刹那は瞼を閉じ微笑を溢す。
曖昧な反応に憐は刹那の膝に手を置き、身を乗り出す。
「もっと ちゃんと見てよ、刹那の意地悪…」
「もー…」と言いながら刹那にメガネを返す。
刹那がもう一度、憐の頭を撫でる。
憐は苦笑いをした後、立ち上がり優夜のもとに小走りで近寄る。
優夜は刹那とは少し離れた本棚の脇にあるソファに足を組んで本を読んでいた。