IMITATION LOVELESS
憐はいくつかの質問をするが優夜は難なく答えていった。
「こんなモノ、読めても意味無いと思うよ?」
憐は優夜の胸に寄り掛かりながらもう一度本を指差す。
目だけで優夜の顔を見る。
片手にメガネを持ったまま。
すると優夜は刹那とは少し違う微笑を溢した。
「ここに雇われるためには必要だったからね。 ま 憐には要らないと思うよ?」
憐は頬を膨らませた。
自分がからかわれたことに気付いたからだ。
耳を折りたたみ優夜と目を会わせないようにしている。
優夜は憐が膝から下りないように憐のお腹に両手を回す。
本が床に落ちた音がした。