IMITATION LOVELESS


「あ…」


憐が大人しくなると刹那が薄く笑う。
空いている左手で憐の髪を撫でる。

憐が気持ち良さそうに目を瞑り、尻尾を揺らす。

刹那は憐に気付かれないように優夜へ微笑んだ。

対する優夜はムッとした顔をする。
すると、突然立ち上がると憐の頬に唇を押しつけた。


「ふにゃっ!?」

「優夜……お前…」


優夜は刹那を見ると、憐と頬が触れあったまま舌を出して悪戯っ子のように笑った。


「ゆ、ゆうや…?」

「ん? 何か問題でも?」


優夜の細くしなやかな指が憐の髪を弄る。
指に絡められるように触られ憐はゾクリ…とした感覚を覚えた。


< 52 / 192 >

この作品をシェア

pagetop