IMITATION LOVELESS
優夜と刹那が睨み合う。
間に挟まれ憐は一瞬戸惑うが直ぐに微笑んだ。
憐が笑った意味が解らず二人はキョトンとした。
「あ ごめんね…。 二人は仲が良いんだなぁって…」
憐が儚げな笑顔で話すと刹那が憐の目頭に指を添えた。
気付かないうちに流れていた涙を掬われる。
優夜ももう片方の涙をぬぐってくれた。
それでも憐の涙は止まらず溢れる一方だった。
どうすればいいかわからず二人の召使いは困ったように笑った。
「憐 どうしたの?」
「なにか嫌なことでもあったのか?」
「……僕、いつも一人だったから…。 側に誰かが居てくれることが…嬉しくて…」
憐は二人の服を掴み笑顔を振り撒く。
この世のモノとは思えないくらい美しく、可憐で今にも壊れてしまいそうな程の儚げな笑顔だった。