IMITATION LOVELESS
「お腹空いたの…」
憐の言葉に優夜は目を瞑り微笑んだ。
憐を抱き上げる。
「申し訳ありませんでした。 さ 参りましょう」
優夜は双子を無視して部屋を後にした。
「憐 あの二人と何話してたの?」
「え…? 何でもないよ?」
憐が脆く儚く笑う。
それを見た優夜は憐の唇に指を滑らせる。
優夜の瞳に影がかかる。
群青色の瞳が窓から差し込む月明かりで妖しく輝いている。
「憐の笑顔は、いつも儚げだよね、何で?」
食事をする部屋の扉の前で憐を下ろすと扉を静かに開く。