IMITATION LOVELESS


「優夜と刹那にくらいだよ? こんなに笑ってるの」


"谺達にはたまに笑う"と付け足して微笑んだ。

テーブルに飾られている薔薇といい勝負をしている憐の笑顔は可愛らしかった。


「……あんまり 俺達以外に笑わないで…」

「優夜…?」


優夜は憐に近寄ると、憐の髪を優しく撫でながら囁く。
その顔は苦しみに塗り潰されていた。


「動感だな…、あまり俺達から離れないで欲しい」

「刹那…?」


刹那は椅子から立ち上がると憐を背中から抱き締めた。


「どうしたの…?」

「【君が笑うと心の奥が暖かくなる―。】」

「【君が他の人と話すと心の奥が締め付けられたように苦しい―。】」


二人の言葉に憐は目を見開く。


「「【その儚い笑顔は俺達にだけ見せて欲しい】」」


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