IMITATION LOVELESS
暫く三人で抱き合っていた。
どれくらい時間が経ったかはわからない。
突然、憐が声を上げた。
「ね 二人とも、来て!」
憐は二人の手を掴み引っ張る。
弱々しい力で二人を引く憐の華奢な腕。
優夜と刹那は顔を見合わせて、ようやく 微笑んだ。
――――――。
「見て見て!」
憐が二人を連れてきたのはあの薔薇園。
小さな青い薔薇の花畑の隣の花壇を指差す。
その場の光景を見て二人は目を見開き、言葉を失う。
一つのプランターから黄、蒼、紫の薔薇が咲いていたのだ。