IMITATION LOVELESS


憐は二人の顔を交互に見る。
二人は柔らかく笑うと憐の耳に自らの唇を近付けると甘く囁いた。


「「憐、大好きだよ…」」

「…っ!」


憐は全身を大きく震わせる。
震え続ける肩を抱く憐の頭を優しく撫でる召使い達。


「返事は…?」
「今 聞きたいな…」


二人は憐から離れ、憐の足元に膝をつく。
そして、憐の手を包み込むように握り締める。
憐の手にはいつの間にかカメラが握られていた。


「………」

「………」
「………」


長い沈黙が流れる。
それを破ったのは憐の優しく、儚げで、輝かしく美しい笑顔だった。


「僕も…二人が大好きだよ…」


二人の召使いは優しく微笑むと憐に語りかけるように、口を動かす。


「【お守りとも言う、愛の結晶―。
それが写真―。】」
「【薔薇の可憐さにも負けない君の可憐さはこの世のモノとは思わない―。】」




―別れの日まで、後

【6日】


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