IMITATION LOVELESS


刹那は髪飾りを握ると薔薇の向こうに投げてしまった。

憐は髪飾りに手を伸ばしたが優夜と刹那に抱き止められ、二人の膝の上に座らされた。


「魑から貰ったのに…刹那?」

刹那は憐の首もとに鼻を押し付け香りを嗅ぐような仕草をする。
首筋から伝わる擽ったい感覚に憐は我慢するように、優夜の服を握り締める。


「あ…! せ…つなぁ…!!」


感じたことの無い感覚に憐は目眩をおこし、必死に優夜にすがり付く。
憐の肩が震え始めたとき、刹那の滑る舌が憐の首筋を這いずり回る。


「い…やぁ…」


憐は体に与えられる感覚に我慢できず、意識を手放した。


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