IMITATION LOVELESS
暖かく、落ち着く音。
"人"が生きている証の音。
憐は優夜の胸にすがるように頬擦りをする。
「ね…優夜」
「ん…?」
憐は優夜の顔を見つめながら微笑んだ。
「魑に対する"好き"と二人に対する"好き"は違うよ?」
「………だって 刹那」
優夜が起き上がりカーテンの向こうに声をかける。
数秒もしないうちに刹那が顔を出す。
「いつだったか…憐に言ったな」
「…?」
「「【その儚い笑顔は俺達にだけ見せて欲しい】」」
優夜は憐に手を差し出す。