IMITATION LOVELESS
ふわふわの白いタオルからは、ほんのりと甘い憐の髪の香りがした。
柔らかく、髪を痛めないように優夜は優しく憐の髪を拭く。
撫でられるような感覚に憐は瞼を下ろし、気持ち良さげにしていた。
「優夜は…優しい」
「?」
憐の独り言に優夜は首を傾げる。
聞き取れなかった訳ではない。
ただ、いきなりの言葉に何とも言いがたかった。
そんな時、刹那がマグカップにホットミルクを淹れて来た。
トレーの上には三つのマグカップ。
一つ一つの色と柄が少し違うマグカップ。
「飲むか?」