最高の初恋
『授業始まりますよ。』
朝一妹を呼び出す姉がどこにいるの?
授業サボらせて。
「黙ってついてきて。」
『私、何かしましたか?』
「なんで敬語?腹立つんだけど。」
『先輩だからです。それに誰に聞かれてるかわからないんで。』
「私の妹だってバレたくないから、学校では話し掛けない。他人のフリ。そんなの無理に決まってるでしょ?」
『それは!』
わかってた。
いつかはバレる…だけど嫌だった。
“門長愛華”の妹として見られるのが。
“先崎天馬”の幼馴染みとして見られるのが。
嫌だっただけなんだ。