最高の初恋




『授業始まりますよ。』



朝一妹を呼び出す姉がどこにいるの?



授業サボらせて。



「黙ってついてきて。」


『私、何かしましたか?』


「なんで敬語?腹立つんだけど。」


『先輩だからです。それに誰に聞かれてるかわからないんで。』



「私の妹だってバレたくないから、学校では話し掛けない。他人のフリ。そんなの無理に決まってるでしょ?」



『それは!』




わかってた。
いつかはバレる…だけど嫌だった。



“門長愛華”の妹として見られるのが。


“先崎天馬”の幼馴染みとして見られるのが。



嫌だっただけなんだ。









< 55 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop