Melt



そんなこと言われたらもうだめだ。




私はきっと九十九に甘えつくしちゃう。




もうそばを離れられない。




私は強がってても弱い人間だって自分で分かっているから。




「いいの?わがままだよ。ただの。」




「いいよ。俺が初音を好きなのもただのわがままだから。」




言い切ってしまった九十九に私は力を抜いた。




「縁と約束したの。この高校で一緒に頑張るって。だから、高校生活を九十九とずっと一緒にいたいって言えないの。・・・・・・・でも、その先もずっと九十九と一緒にいたいよ。」



矛盾だってことはわかってる。




けど、九十九はそれくらい私の中でかけがえのない人になっている。
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