Melt

心ない悪意




「なにすんだよ!良いから離せって。」



慌てすぎて、九十九は椅子から落ちそうになる。



「ちょっと、落ちないでよ!」



私はとっさに九十九の手をひいて助けてあげた。



九十九の手ってあったかい。



私の手が本当に小さく思えるほどでっかくて、男の子の手なんだなあってしみじみ感じた。



当たり前のことだけど、なんか不思議。


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