Melt
「おいっ、おい!九十九!!」
「え?」
振り返った瞬間に顔面にボールがぶつかった。
「ってぇ。」
ぼうっとしすぎて部活中なのを忘れていた。
コーチが近寄ってくるのをみて、俺は大きくため息をつく。
あぁ、怒られる。
「九十九っ!!!集中できないなら帰りな、ばかっ!!!」
「すいませんっ!」
俺はひたすら平謝り。
「いい?これ以上情けない様子見せたら、今日の晩御飯は抜きよ。」
「うす。」
答えて俺は慌てて練習に戻る。
この部の部員の中で一番コーチに頭があがらないのは俺だと思う。
なぜかといえば、コーチは俺の姉貴だからの一言につきる。