浮気性彼氏と心配性彼女【完】
しばらくして家に着いた。
「あ、私の家ここだから…ありがとっ!じゃあばいばい!」
笑顔でその場を去ろうとしたら、
背中が暖かい温もりに包まれた。
「ふぇ?…こ、ばやしくん…?」
驚いて気の抜けた声が出てしまった。
小林君は私を背中から抱きしめていた。
「…ごめん…今言うのはずるいと思うけど、俺ずっと…お前が好きだった。」
一瞬何を言われているのかわからなかった。
「…もうお前の泣く姿とか見たくねぇよ…」
必死な小林君を初めてみたかもしれない…
「…ごめ「あ、返事はいいから…」
私が返事をしようとした瞬間、
小林君が言った。
「…え?」
「この気持ち伝えられただけでいいよ。」
その時思った。小林君は強い人だ。
私にはそんな勇気ない…
「いきなりごめんな?じゃあまた明日な!」
小林君は少し赤くなってニコッと笑い走って行った。
私は大声で…
「ありがとっ!!」
って言った。
小林君は驚きながらもまた笑って行ってしまった。