GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
いや、実際音はしていないが、確実に私の何かが切れた。
それと同時に、体が勝手に動いていて――…気づいた時には、手加減なしの拳を煌月の顔面に入れていた。
鼻を押さえながら倒れ込む煌月。
指と指との間からは赤い液体が流れる。
そんな煌月を見下しながら、
「兄弟揃って義理人情をわきまえないとか、マジあんたらの親の顔を見てみたいもんだ!!あんたらの家族全員、人生一からやり直せ!!」
と、罵倒する私。
だが、私の怒りは止まる所を知らない。
そして、再び口を開こうとした刹那――…。
煌月は三つ指ついて土下座していた。