GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜

涙を流す私の頬に、ゆっくりと煌月が手を伸ばしてくる。



そして、流れる涙をそっと指ですくいとる。



｢俺、茉麗の言うこと一つ、何でも聞くって言っただろ?｣



ヤバい。



涙が止めどもなく流れる。



｢それ、使うの今だろ｣



そんなこと、言わないでよ。



｢人生楽しく生きないと、生きている価値ねーぞ?｣



ニイッと笑う煌月が、私のスーパーマンにしか見えないじゃんか。



早く……早く、あの恐怖から抜け出したい。



｢煌月、助けて!!｣



この言葉を吐き出した途端、一筋の光が見えたと思ってしまった私は大袈裟だろうか。



それくらい、私は切羽詰まっていた。



……ねー、煌月。



私、初めて助けを求めたのが、煌月で本当に良かったよ……。