GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
だが、遅かった。
私の体のどこかのネジが取れてしまったらしい。
「ね、ねぇー、姫輝」
「何?」
「煌月って、何人の人を目で殺したの?」
「……へ?」
「さぞかし、煌月の目で殺すという技は素晴らしいだろうね」
「ま、茉麗ちゃん、突然どうした!?」
「私なら、蚊さえ目で殺せないよ!!……はっ!!もし、この技を習得すれば、夏に蚊が大量発生してもこのアイ(目)で瞬殺出来るぜぃ。私、みんなの正義の味方、殺虫剤になれるかもしれない!!」
「オイ、誰かトイレに入っている煌月を呼んでこい。これは一大事だ!!絶対、末期――…」
「誰が末期だ、馬鹿野郎。私は至って真面目だ」
「……茉麗ちゃんって、もしかしてそういうキャラなの?」
どういうキャラだよ!!
私は、困惑している姫輝に心の中で突っ込む。