GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「オイ、茉麗。さっきから口に出してるぞ」
……な、何だとっ!?
なんたる失態!!
「……それは左様か。申し訳ない」
私は、右隣に座っている煌月の顔色を恐る恐る窺う。
……あー、ヤバい。
ご立腹煌月様が降臨している。
さすがに言い過ぎたって、お、お主!!
今にも頭の血管が切れそうだぞ!?
まずは深呼吸して怒りを抑えて!!
ほら、吸ってー、吸ってー、吸ってー、吸って――…
「なぁー、茉麗」
「な、何でしょう!!」
「本題に入って良いか?」
「……誠に申し訳ない」
頭の中に、まだ“大”という言葉が残っていることに、物凄い罪悪感を感じた私であった。