GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
煌月は悲しげな表情を浮かべ、
「……けど、その選択は変わらないんだろ?」
遠慮がちに聞く。
……そうだね。
そうするしかないんだもん。
だから、私は涙を拭い言った。
「後は、煌月に任せても良いかな?」
「……あぁ」
「“アイツ”には気をつけて?“アイツ”、馬鹿力なんだ。くれぐれも無理はしないで?」
「オイ、茉麗。俺を誰だと思っているんだ」
「ヤン暴」
「……ヤン暴?」
「ヤンキーかつ暴走族の人だ」
私は口元を緩める。
すると、煌月は私の頭をクシャクシャにし、
「馬鹿野郎。ヤン暴でも地元最強の男だ」
そう言って、腰を上げる。