GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「あんた、龍夜の妹さんだよな?」
身長も歳も兄さんと同じくらいの、ブラウンの短髪男が私の前に現れた。
これが、事件の発端だった。
「俺、あんたの兄貴の知り合いなんだ」
その言葉を聞いて、私はその見知らぬ男を危険人物から外してしまった。
兄さんの知り合いは、みーんな良い人。
いつの間にか、そういう定理が頭の中に出来上がっていて……。
「龍夜に会いたいか?俺について来くれば会えるぞ」
その言葉を信じてしまった。
丁度その頃、兄さんが帰宅する回数が少なくなっていて、その話を聞いてますます兄さんに会いたくなってしまった。
そして、迷うことなく、その男について行ってしまった。