GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜


「……なぁ、お前ら。今から、精神科に行くか?」



……ん?



精神科……だと?



「ブラザー。何か聞き捨てならぬ発言が、耳に入ったのだが……」

「シスターにも聞こえたのか?誰だ!!俺らが感動に浸っている時に、空気を読めない奴は!!」

「オイ、オイ。シャレにならねーぞ?何がブラザーだ。何がシスターだ。テメーら、今頃家族ごっこか?」



そう言って、抱き合っている私たちを冷ややかな目で見下す金髪男。



その男の顔には傷一つ付いておらず、ピンピンしていた。



……マジだ。



本当に無傷で生還しやがった。



こりゃあ、アキレスもビックリだ。



私たちは口をポカーンと開け、目を見張ったままその男を見つめる。



「オイ、茉麗。お帰りの一言もねーのかよ」



その男――煌月は本当に最強だった。



< 154 / 370 >

この作品をシェア

pagetop