GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「……なぁ、お前ら。今から、精神科に行くか?」
……ん?
精神科……だと?
「ブラザー。何か聞き捨てならぬ発言が、耳に入ったのだが……」
「シスターにも聞こえたのか?誰だ!!俺らが感動に浸っている時に、空気を読めない奴は!!」
「オイ、オイ。シャレにならねーぞ?何がブラザーだ。何がシスターだ。テメーら、今頃家族ごっこか?」
そう言って、抱き合っている私たちを冷ややかな目で見下す金髪男。
その男の顔には傷一つ付いておらず、ピンピンしていた。
……マジだ。
本当に無傷で生還しやがった。
こりゃあ、アキレスもビックリだ。
私たちは口をポカーンと開け、目を見張ったままその男を見つめる。
「オイ、茉麗。お帰りの一言もねーのかよ」
その男――煌月は本当に最強だった。