GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜

   *   *   *

私たちは参拝を終え、石段を降り始める。



「ねー、茉麗ちゃん」

「どうしたの?姫輝」

「茉麗ちゃんは、何を神様にお願いしたの?」



ニコニコしながら私に聞く姫輝。



「うーんとね?私は――…」

「どうせ勉学だろ」



煌月は、私の話を遮って分かり切った口調で言った。



……勉学……か。



私は鼻で笑い、



「もう勉強する意味がなくなったの」



口元に笑みを作る。



煌月と姫輝は「えっ?」と素っ頓狂な声を出し、怪訝な目で私を見つめる。



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