GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
まるで金塊のように、姫輝が金色に光って見える。
……何か、姫輝って将来金亡者になりそう。
正直な感想を述べたかったが、後々が怖いと感じた私はその言葉を呑む。
そして、眉の両端を下げ、
「確かに、私の家庭が金欠だからという理由もあるけど、それだけじゃないの。どうしても、海外で一人暮らしがしたかったの」
口角に力を入れる。
「茉麗ちゃん。どうして、海外で一人暮らしをしようと考えていたの?」
姫輝はそう言って、首を傾げる。
……誰も私の気持ちを理解することは出来ない。
そう考える人は、おそらく私くらいだから……。