GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「私のことを知っている人から逃げたかったの。沢山の人に、忌み嫌われるのはもう懲り懲り。だから、私の存在を消したかった」
「え?」
……ほら。
案の定、姫輝は変な声を出す。
困惑する。
「意味が分からない」って顔をする。
まぁ、当然ったら当然か。
「私さ。金を貯めて貯めて貯めまくって、海外――アメリカで第二の人生を歩もうと考えていたの」
「それなら、日本でも――…」
「日本は、世界から見ればとっても小さい。そう考えると、知り合いと遭遇する確率は高いでしょ?」
「……」