GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
何で、それを考えつかなかったのだろうか。
考えついていたら、別な事を願っていたのに……。
私、馬鹿だ。
賽銭箱に入れた金を今すぐ返してほしいって、無理な事なのにね……。
私は自分の馬鹿さに深い吐息を吐く。
そんな私の髪をくしゃくしゃにし、煌月は明るい口調で言った。
「俺らが茉麗を手放すわけねーだろ。てか、俺がお前を逃がさねー。お前の願いはもう叶っている。めでたい女だ」
「……私が煌月に会わなくなったらストーカーしそうだね」
「するかもな」
「マ、マジでか」
動揺を隠せずにいると、煌月は弾けたように笑った。