GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
……うん。
郁斗よ。
それは、正しい判断だ。
徐々に、私の扱い方を理解出来るようになったか。
私は心の中で感心していると、
「あんた、危機感……いや、緊張感ってもんを持っていないのか?……はぁー……。調子狂うわ」
郁斗は、「チッ」と舌打ちしていた。
……確かに、妄想している場合ではない。
要するに、郁斗が私に伝えたいことは――…
「『迅麓』と『黒龍』は対立関係で、『黒龍』の場合、目的の為なら手段を選ばないため、私が捕らえられる確率が高い。だから、それを防ぐために、煌月と手を切った方が良い。そう言いたいんでしょ?」
「……何だ、分かっていたのかよ」
郁斗は小さく笑う。