GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「テメー、いい加減にしろ!!公開処刑されてーのか!?」
「……ま、まだ、焼き鳥もおでんも食べ終わって――…」
「最後のチャンスだ。公開処刑されたくねーなら、さっさと帰るぞ?」
それはそれは、私にとって呪いの呪文みたいな言葉でして……。
殺人鬼の目つき。
煌月の背後には、魔王がはっきりと見えており……。
さすがにヤバいと悟った私は、仁王立ちしている煌月に駆け寄る。
……あーあ、テーブルに置かれている美味しそうな料理。
全て食べたかった。
私は悲しげな目で、それらを見つめる。
「オイ、行くぞ」
煌月は私の腕を掴み、強引に私を連れて行く。
店を出る際、
「茉麗ちゃん、またおいで」
と、篤さんの優しい言葉を聞いて、こんな状況なのにも拘わらず、私の口元が少し緩んだ。