GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
* * *
「……ねぇ、煌月」
「……」
「痛いんだけど……」
「……」
「郁斗に助けを――…」
「あ"?」
私はご機嫌麗しくない煌月に腕を掴まれたまま、誰もいない『迅麓』の溜まり場である倉庫に入る。
……この場で死んだふりをしても良いだろうか……。
この威圧感に耐えられない。
一刻も早く、解放されたいんだけど……。
そうしてくれないと、私の堪忍袋の緒が切れて――…
「オイ、茉麗座れ」
煌月の言動にカチンときた。