GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「……なぁ、茉麗」
「……ん?」
「茉麗って、すっげー優しいよな」
「え!?いや、全然優しく――…」
「そんな優しい茉麗に、頼みてぇことがあるんだけどさ」
「だから、優しくなんか――…」
「俺の昔話、聞いてくれねーか?茉麗には、俺の過去を知ってもらいてぇ。……頼むから聞いてくれ……」
煌月は苦しそうに吐き出すと、私の肩に頭を載せる。
ドキリ。
私は煌月の背中を軽く叩いていた手を止める。
煌月の過去……か。
私は煌月の深い傷を癒やしたい。
もし、煌月が自分の過去の話を語って、少しでも心が軽くなるのなら……。