GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜

｢紅さんは、すっげーお人好しでさ……。愁はそこをつけ込んで、リナに『紅が公園の前を通る頃には倒れていろ』と命令したんだ｣

｢……は?｣

｢紅さんは、自分よりも弱い人はほっとけないタイプだから、必ず拾うだろう。そして、まんまと紅さんはその策略にハマってしまった｣

｢……｣



愁という男は頭が良いみたいだ。



……いや、悪知恵にたけているだけか……。



そうだとしても、自分の思惑通りにはなかなかならない。



恐るべし、悪漢野郎だ。



｢そして、紅さんはリナをすっかり気に入り、リナを『迅麓』の溜まり場に毎日連れて来た。リナがスパイだと知らずにな……｣

｢……｣

｢その所為で、『迅麓』の情報が筒抜け｣

｢……最悪じゃん｣

｢それが、しなかったんだよ｣

｢……へ?｣



思わず、素っ頓狂な声を出してしまった。