GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「だから、毎日『廉』で飯食うぞ」
「そ、そうか……って、マジで!?」
私は嬉しさのあまり顔をガバッと上げようとしたが、煌月が私の後頭部を胸板にさらに強く押し付けるため、「ふぐっ」と変な声が出てしまった。
もう二度と『廉』で飯を食べられない、篤さんにも会えないと思っていたんだもん!!
ほんと、誠に嬉しきこと。
「ねぇ、煌月。豚キムチ、一番美味しいんだよ?」
「そうか。明日から食いに行くぞ」
「うん」
私は顔をほころびた。
…――頭の中が豚キムチでいっぱいな私は、煌月が言っていた『嫉妬』のことをすっかり忘れていた。
それは、煌月が私の単純さを利用し、意図的に話を逸らしたから。
それに、まんまと私は引っかかった。
もし、私が単純な女でなかったら――…