GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
……ふぅー。
助かった。
私は爽良にバレないように、ホッと安堵する。
もう二度と、あんな生きた心地がしない状況を味わいたくないね……。
「よし!!今週の土曜日、材料を買いに行こう、茉麗」
「え!?ちょっ、爽良。だから、今、金欠――…」
「大丈夫。全て私が奢るから」
爽良は親指を立て、ウィンクをする。
人に奢れる程の金があるなんて、羨ましいわ。
……とは、口が裂けても言えるわけがなく……。
「んじゃ、お言葉に甘えて奢ってもらおうかな?」
私は僅かに目を細めた。