GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
*奮闘
「この地響きは、バイクのエンジンの所為だ。見事にバイクの数の多さを物語っているな、こりゃあ」
慎はククッと喉を鳴らす。
焦っている様子は見られない。
どうやら、煌月に勝つ自信があるらしい。
……どこから、その自信が湧いてくるんだろうか……。
意味が分からん。
まぁー、そんなことはどうでも良い。
一刻も早く、煌月に会わないとっ!!
私は腰を上げる。
「オイ、茉麗。俺、黙って座ってろって言ったよな?」
「……聞こえなーい」
「座れ」
「聞こえなーい」
「怪我したくねーなら、黙って座って――…」
「あんた、馬鹿?」
私は鋭い目で慎を睨む。