GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「煌月のこと、もう一度悪く言ってみろ。そん時は、息の根を止めるぞ?」
「……」
「てか、いい加減、私から離れてくれない?虫酸が走る」
低く冷たい声でそう言い、慎の右足を思いきり踏み潰す。
そして、慎の手を渾身の力を振りしぼって解き、振り返る。
私は、悔しそうに下唇を噛み締めている慎を軽蔑な眼差しで見据えた。
「前言撤回。あんたは、悪漢野郎だったみたいだね。兄と性格そっくり」
「……」
「素直になれとは言ったけど、自分のことだけ考えろとは言っていない」
「……」
「自分が良ければ他は良しって考えている人は、いつまでたっても好かれないよ?」
「……」