GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
――まだだ。
私は続けて慎の鳩尾に鉄拳を入れる。
慎は鈍い呻き声を出したが、気絶はしない。
まだ、私を睨む気力は残っているらしい。
……チッ、しぶとい奴め。
「いい加減、気絶しやがれ!!」
私は渾身の力を振り絞って、もう一度鳩尾に右ストレートを入れる。
さすがの慎でも、二度鳩尾に拳を入れられた、この激痛には耐えられないらしい。
瞳を閉じたまま、ピクリともしない。
私は立ち上がり、慎を見下ろす。
……これって、気絶しているよね?
「し、死ぬかと思ったー」
私は大の字に寝転がる。