GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
……ふぅー。
緊張するぜぃ。
私は鞄の中からチョコを取り出し、郁斗にそれを渡す。
「はい、チョコ」
「……あげる相手、間違えていねぇーよな?」
郁斗は目を丸く見開いていた。
多分、私から貰えないと思っていたのだろう……。
「……いや、いらないのなら、自分で食べ――…」
「貰う!!マジで嬉しい。ありがとな」
そう言って、はしゃいで舞い上がる郁斗に度肝を抜いた。
郁斗が、こんなに大喜びしている所を見たことがない。
てか、チョコを貰うことって、そんなに嬉しいことなんだ……。
そこで、「それに毒、入れているから」と言ったらどんな反応をしてくれるのか試そうと思ったが、さすがに郁斗が可哀想だからやめた。
私は再び鞄の中からチョコを取り出し、郁斗にそれを渡す。