GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「なぁ、茉麗」
「……んー?どうしちゃったのよ、郁斗。残念そうな顔しちゃってー」
「今日はアレだろ?……北の繁華街が、今までで一番騒がしい夜の街になっちまうな」
郁斗は眉の両端を下げ、悲しげに「フッ」と笑った。
……そうね。
今日が最後だもんね。
「……郁斗は?」
「……ん?」
「郁斗はどうするの?」
「もちろん、参加に決まってるだろ。もう二度と、どでかいのは出来ねぇからな。……名残惜しいな」
「だね」
私は頬杖をついて、快晴の空を見つめた。
――今日、この町から暴走族が消える。