GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「……あっ、コウガ。目が覚めたんだ。特攻服はそこのソファーの上に置いてあるから」
姫輝は金髪男の方を振り返り、必死に笑いを堪えながら言った。
……姫輝、待って?
この人、さっきまでゴミ捨て場で餓死していた人だよね?
てか、確かその特攻服には、“十代目総長”って刺繍されていたよね?
それより、今『コウガ』って……。
ま、まさか!!
「迅麓の総長がいなくて、こっちはかなり焦っていたんだからな」
……チーン。
人生の終わりを告げる音がした。
…――この人が、あの『迅麓』十代目総長、加賀美煌月(カガミコウガ)だと初めて知った瞬間であった。