GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「茉麗」
「な、何?」
「俺がいつからお前に惚れていたか、知っているか?」
口元を緩めながら、私の顔を覗き込む煌月。
私は口をポカーンと開けたまま、目をぱちくりさせる。
「俺、お前に一目惚れだった」
「……え?それって……」
「路地裏のゴミ捨てで出会った時から、お前に惚れていた」
「……ほんとの話?」
「あぁ。見ず知らずの血だらけの怖い男に弁当をくれた、その優しさに惚れたんだ」
「……」
――実は一食恩義として、私の欲しい物を買って貰おうと企んでいました。
なんてこと、口が裂けても言えるわけがない……。