GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
……ほんと、今日はついていない。
堪忍してくれよ……。
私は深い吐息を吐き、最終手段をとることにした。
「私の親、心配性で……。門限8時半――…」
「それなら、心配いらないよ?俺が茉麗ちゃんの母親に“今日は友達の家に泊まる”って、メール送信しておいたから」
……終わった。
私の最終手段は、姫輝のこの発言であっけなく終わった。
……私の親が心配性?
そんなの嘘。
門限もない。
父は私が5歳の時、喫煙に由来する肺ガンで他界。
母は居酒屋で仕事。
だから、母さんにそんなメールを送っても意味がない。