GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜


……私、真実を知らずに、煌月は義理・人情をわきまえない獣だと勝手に解釈していた。



やはり、噂とは残酷だ。



素晴らしい妄想世界で、その人のイメージをつくり上げ、そうだと思い込んでしまう。



私はそのことを十二分に理解していた筈。



……私は馬鹿だ、最低だ……。



「煌月……ごめん」

「いいんだ、分かってくれれば……。ほんと、あの時は必死だった。まぁー、最終的に苦の方になっちまったけどな……」



煌月は自嘲的に笑った。



苦しくて切ない声……。



“煌月はそんな必死になって、何を守りたかったの?”



私はその言葉を呑んだ。


< 53 / 370 >

この作品をシェア

pagetop