GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
……私、真実を知らずに、煌月は義理・人情をわきまえない獣だと勝手に解釈していた。
やはり、噂とは残酷だ。
素晴らしい妄想世界で、その人のイメージをつくり上げ、そうだと思い込んでしまう。
私はそのことを十二分に理解していた筈。
……私は馬鹿だ、最低だ……。
「煌月……ごめん」
「いいんだ、分かってくれれば……。ほんと、あの時は必死だった。まぁー、最終的に苦の方になっちまったけどな……」
煌月は自嘲的に笑った。
苦しくて切ない声……。
“煌月はそんな必死になって、何を守りたかったの?”
私はその言葉を呑んだ。